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相談事例

今までに企業様よりいただいた相談とその対応事例を掲載しています。
「労務問題」のプロとしてお客様のいろいろな「なぜ?」を解決して信頼をいただいています。

臨時に使用される者の社会保険の適用についての相談

ある労働者と2カ月間の臨時の労働契約を結び働いてもらっていたのですが、一月ほど経過した時点で工事が一週間程度延長する見込みになって、それに伴い労働契約も一週間程度延長することになりました。この労働者の雇用保険については、当初から31日以上なので加入していたのですが、社会保険には2カ月以内の臨時の雇用ということで加入していませんでした。そこで、今回一週間程度の労働契約延長により、社会保険への加入義務が生じるのか?という相談

原則では2カ月以内の期間を定めて使用される者が所定の期間を超え、引き続き使用されるようになった場合には、その日から被保険者になるとされています(健保法第3条第1項第2号、厚年法第12条第2号)。しかし、一週間程度の労働契約の延長により被保険者の加入手続を行い、またすぐ喪失手続を行うのは煩瑣感があり実務的ではないことから、年金事務所にも相談し、「一週間程度の契約延長では常用的使用関係にあるとは言い難いので、現契約はあくまでも当初の労働契約満了日で終了させ、その翌日から一週間程度の労働契約を「残務整理等」の名目で別個に結べば、社会保険の適用除外扱いと認める。」との回答を得ました。じゃあどこまでの延長幅なら認められるのかという疑問も生じるところですが、社会保険にはこうした曖昧な部分も結構あるのです。

元請の大手建設会社から請負契約に際し災害補償責任を下請が負うという契約を求められているという下請事業主からの相談

元請が示した関係書類には、「労働基準法第87条第2項に基づいて、災害補償責任を下請負人が負うこととする」という一文が書かれていたので不審に思った事業主が問い合わせてきたものです。この労働基準法の条文は、第一項で請負事業においては元請負人が使用者となることが規定され、第二項で例外的に元請負人が書面による契約で下請負人に補償を引き受けさせた場合には、その下請負人も使用者とすることが規定されています。一方、労働基準法上の災害補償責任を実質的に担保している労災保険制度においては、労働保険徴収法第8条で同じように元請負人を事業主とするが、厚生労働大臣の許可を受けた場合には下請負人を元請負人とみなすという規定があります。この許可には概算保険料160万円以上又は請負金額1億9千万円以上等の場合という基準があり、契約書さえあればすべての下請負人が責任を負うというものではありません。しかし、労災保険では事業主として扱われない規模の請負工事においても、労働基準法の規定を根拠とした交渉が大手建設会社では行われているようです。法の趣旨は資力のある下請負人を対象としたもので、これを拡大すると労災かくしにつながることが懸念されることから、厚生労働省では平成14年に通達を出し、指導を行うこととしていることを相談のあった事業主に説明し、この通達文を相手方に示してはどうかとアドバイスしました。

問題社員の懲戒処分についての相談

相談のあったとき社長さんはかなり怒り心頭の様子で、言外に解雇も辞せずの構えでした。事実関係をまずお聞きした後、就業規則を確認。懲戒処分を行うには根拠規定が必要なのです。社長さんの話した内容は、なるほど事実であれば懲戒解雇もやむを得ない事案のようです。そこで、本人に弁明の機会を与えるために顛末書を提出させて、これまでの調査結果と違うところを確認すること、これらに基づいて会社が事実を認定すること、その認定した事実で最終的に処分を決定することをアドバイス。処分が決定するまで自宅待機させることや、場合によっては解雇予告除外認定申請を監督署に出すことも説明しました。相手側にも言い分があるのが常ですので、慎重さが必要ですが、事実が明らかになれば、きちんと処分することもまた必要です。

第3者委員会から昨年退職した従業員の記録についての照会があったことについての相談

3年前に入社し、昨年まで勤めていた従業員が、最近受け取った自分のねんきん定期便を見て、実際にもらっていた報酬と記載された金額が違うと第3者委員会へ申し出た事案です。当時の賃金台帳を確認して、誠実に対応した結果、年金特例法に基づいて本人の主張通り標準報酬が訂正されました。いわゆる2年間の消滅時効前の年金記録の訂正を可能とした特例法ですが、事業主はこの訂正によって厚生年金保険料の差額について納付を勧奨されることになります。つまり、当然に納付義務が発生するわけではなく、勧奨に応じれば納付書が発行され、それに基づき納付義務が生じるということです。したがって、延滞金等も納付書が発行された時点では発生しません。また、勧奨に応じないと事業主名又は役員名が公表されることになっています。今回は、年金特例法の趣旨を事業主に説明した結果、直ちに納付手続きを行っていただけました。

懇意にしている弁護士から二重出向についての違法性についての相談

この先生、うちの事務所を結構評価してくれていて労働問題についての相談があると意見を求められることが多いのです。担当はいい加減が大っきらいな辻社労士。二重出向の問題よりもその背景に隠された意図があるのではないかと指摘しました。その結果、必要性のない出向命令が無効となるおそれや損害賠償の問題が生じることを回答。正確さに加え、回答までのスピード感がいいと感謝されました。

今年4月に改正された労働基準法に基づき、60時間超の時間外労働に対して代替休暇制度を設ける会社からの相談

給与計算の前の勤怠データをエクセルで入力する仕組みを当事務所で提供している事業所です。自称元SEの勝見所長が自ら手掛けたものですが、今回の制度対応で毎日の始業と終業の時刻、休憩時間を入力していくと60時間超になった日から時間外労働の時間のセルが赤地に白抜きで表示される仕組みに変更し、その合計が代替休暇で何時間になるのかも表示させたいという要望。この会社、時間外や休日労働が半端じゃなく通常の労働時間の計算も複雑極まる状態。それでも簡単で、正確で、きれいな勤怠管理表を2日後には提供できました。あくまでエクセルはツールにすぎず、ソフト開発会社ではありませんが、生産性のある仕事はやりがいがあります。

中小企業緊急雇用安定助成金の添付書類である賃金台帳の表示について労働局より指導があったという相談

休業手当を100%支給している会社でも、休業控除と休業手当の項目を必ず表示させるようになりました。ほとんどの会社で給与計算は給与ソフトに頼っているので、例外的なことをお願いするとお手上げ状態になる会社が結構あります。最後の手段は仕方がない、出来上がった賃金台帳に手書きで書き加える方法。これでも原本だから立派な賃金台帳。会計検査院の調査もどんと来いというところです。

建設業の技術者制度についてゼネコンから強い指導を受けたので対応したいという相談

監理技術者等の技術者は国土交通省所管の建設業法の規定だからわからないなんていうのは、いわゆる「役人の発想」。民間のコンサルタント事務所ならばワンストップサービスに近づけ、顧客の満足を追求したい、ってなわけで、1時間セミナー形式で講演しました。質問が多く出ましたが、正直その場では不明なこともありました。もちろん、後日、法令を調べてきちんと対応しました。

労災保険の不支給決定通知を受けた被災者からの相談

不支給決定には納得がいかないとのこと。不服であれば審査請求という道が残っていることを説明したところ、熟考した上で後日依頼されました。うちの事務所の中でも侃侃諤諤意見を出し合いました。この事案を認めるとみんな認めなくてはならなくなり、影響が大きすぎるのではという意見もあれば、客観的な状況だけで判断するべきだからこの決定に対しては争うべきだという積極的な意見や監督署との関係からも審査請求はまずいんじゃないかという消極的な意見までそれこそ口角泡を飛ばし激論を重ねました。しかし、被災者のどうしても納得がいかないという声が決め手となり、正式に代理人として福井労働局労災保険審査官に審査請求を行うにいたったのです。そして、1カ月後、原処分は取り消され、依頼人に労災保険が支給されることとなりました。

配下の一人親方が事故に遭った事業主からの相談

特別加入していなかったので、労災保険が使えないと言われたとのこと。実態を聞くと、どうやら社長さんとすれば被災された方を他の従業員と同じように扱っていたようなこともある様子。これは労働者と判断される余地があるかもしれないと、昭和60年労働基準法研究会発表の判断基準をベースに詳細を調査。その結果、うちの事務所として労働者という認識が固まったことから労災請求案件として正式に受託し、申立書をつけて療養補償給付請求を行った。担当は、うちの事務所の良心、辻社労士。完璧と思われた書類でしたが、それから数か月後管轄の監督署長より不支給決定通知が被災者に届いたのです。となると、話はこれだけは終わりません。

退職した労働者が離職票に書かれた離職事由が違っていると会社に来ているがどうしたらいいかという相談

手続き業務も含めた包括契約の顧問先だったので、離職票を書いたのはうちの事務所の職員です。離職事由についても確認はとっていますが、退職願がなかったので会社の担当者の「自分の都合です」と言った言葉をうのみにしたのが間違いのもとでした。案の定、業績不振で退職勧奨したというのが実際のところだったのです。こういう場合は、退職した人がハローワークで失業給付の手続きをするときに時限爆弾のように爆発します。「自己都合だと3カ月間の給付制限がつきます」「会社が辞めてくれって言ったんだ」こんな押し問答が続いた後、退職した人は、怒り心頭にして会社の担当者の元へ。事実はその通りなのでどうしていいかわからない会社の担当者が、すぐさまうちの事務所へ電話を入れてきました。まずは事実関係を確認したところ、正しい離職事由は「業績不振で事業を一部縮小することにより退職勧奨したところこれに応じた」こと。事態を早急に解決するためにはすぐに動くことが必要。幸い会社側も認めているので離職事由の訂正は難しい手続きではありません。1時間後には20km先の顧問先とハローワーク往復を済ませ、無事退職者は失業給付の手続きをその日のうちに済ますことができました。

会社整理を決断した経営者からの相談

事業の継続が困難になったので、会社をたたまざるをなくなったが長い間一緒に苦労してくれた従業員にできるだけのことをしてやりたいという人情家の社長。夜逃げのような方法を選択せず、法的整理をする方針は立派だと思う。Xデーを設定し、それまでのスケジュールを計画。Xデー当日、従業員説明会の席上、涙ながらの社長のお詫びの言葉の後、解雇と失業給付の関係や健康保険、年金制度のことを直接説明。紛糾することは全くなく、経営者としての人柄の良さが感じられた。翌日の離職票の交付もスムーズにできた。あとは社長と従業員の今後。人生は長い、再起を願うばかりだ。

監督署の調査でサービス残業の指摘を受けたがどう対応したらいいのだろうという相談

最近は、結構この手の相談が多い。監督署の職員はパソコンの扱い方の指導を受けているようで、タイムカードの時刻だけでなくパソコンに残ったログを見て、その違いを問い詰めてきたという。平成12年に厚生労働省が策定した「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準」の通りに指導しているにすぎないのだが、会社は実際に指導を受けるまでは危機感を抱かないものだ。実態を聞くと恒常的な時間外労働が不可欠と思われた。そこで、ムダな時間外労働はさせないことを大前提として、きちんと時間を把握すること、固定的残業手当を創設すること、。従業員との合意を得てその固定的残業手当を現行の賃金の一部とすること等を柱とする対策を提案した。この提案を受けた経営者の第一声は「そんな姑息なことはしたくない」だったが、今のままではサービス残業の問題はなくならないという粘り強い説得と、何より監督署でその方法が違法でも何でもないことを聞いたことによりすんなり受け入れられることとなった。

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